日経平均は史上最高値を更新したが、その後、急落も見せるなど乱高下の展開が続いている。新NISA(少額投資非課税制度)の投資ブームでは、日本株よりも米国など外国株に連動する投資信託に人気が集中しているが、その考え方でいいのか。
そうした問いを考えるうえで注目の人物がトルコ出身のエコノミスト、エミン・ユルマズ氏(44)だ。YouTubeチャンネルの再生回数は1000万回を突破。「日経平均30万円時代」の到来を予測して話題のエミン氏が新NISAでの投資術を指南する。【前後編の後編。前編から読む】
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新NISAで「日本株の上昇相場」の恩恵を受ける最適な投資法とは何か。
新NISAでは、全世界の株式に分散投資する通称「オルカン」や、米国を代表する500社による「S&P500」に連動するインデックス投信が人気で、「つみたて投資枠」(年間120万円まで)を使って毎月一定額を積み立てる人が多い。
ただ、新NISAの最大のメリットは「運用益が非課税になる」こと。投資した資金の2倍、3倍、10倍の利益が出ても税金がかからない。であれば、積み立ててコツコツ増やすより、「成長投資枠」(年間240万円まで)を使って「大化け株」を狙ったほうが、非課税の恩恵を最大限に享受するチャンスが出てくる。私の知る「投資のプロ」はそうしています。
大化けを狙って米国株に着目する人もいますが、今は1ドル150円の円安局面なので、米国株の下落リスクに加えて為替が円高に転じるリスクまで背負うことになる。個人の投資家にはリスクがあまりに大きい。
その点、日本株であれば為替リスクの心配もなく、情報も得やすい。なかでも時価総額が小さい「中小型株」で割安に放置されている銘柄を見つけるのが賢明です。そうした観点から注目すべき4つのテーマがあります。