中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

【海外旅行】“安い国”の住民が“高い国”に行くのは至難の業! 庶民でも「現実的に行ける国」としてタイ・ラオス・チェコ・トルコに注目

円安でも「現実的に行ける国」候補(イメージ)

円安でも「現実的に行ける国」候補(イメージ)

 一時、1ドル=160円に到達して話題になったが、1996年に80円台だったことを考えると、円の価値は半分になったわけだ。その頃は諸外国の物価も安く、海外旅行は決して贅沢なものではなかった。しかし昨今、海外旅行、特に欧米への旅行は、超がつく贅沢なものになっている印象だ。今後も円安トレンドが変わらなければ、海外旅行はますます高嶺の花になってしまうが、現地で安く過ごせる渡航先はないものか。現在、ラオスとタイに旅行中のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が、それほど物価が高く感じない「現実的に行ける国」を紹介する。

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 去年は2月から5月まで、今年は2月から3月、そして4月末から5月6日までラオスとタイに滞在しました(しています)。私は1996年、1ドルが約80円だった時にアメリカ旅行に行ってきました。大学卒業手前だったのですが、クラスメイトがフィラデルフィアの大学に留学していて、彼を訪ねたのです。

 米系のエアラインを使ったのですが、ニューヨークまでの往復の旅費が8万円ほどで、宿泊費は友人の部屋に泊まったので無料。食事は昼は4ドル程度の中華料理や3ドルのファストフードのセットを食べたので当時のレートだと240~320円。夜はバーで食事をするのですが、ビールは1ドル80セントほどで150円です。単品のバッファローウイング唐揚げは3ドルで240円、奮発してステーキを1枚頼んでも12ドルで960円でした。

 それから時は流れて、昨今SNSを見るとアメリカ旅行をした人が「LAの空港でサンドイッチとコーヒーを頼んだら5000円だった」などと書き込んでいます。今、私は物価がそこまで高くないタイにいるため、日本より安く過ごせていますが、交通費・宿泊費と合わせれば日本にいた方が安く済むでしょう。

 今や欧米旅行は完全に贅沢品になっています。2017年にイタリアへ行ったのですが、この時は2人のランチでビールを小瓶2本ずつ頼もうものなら8000円が当たり前でした。今後も円安が加速する可能性はありますし、成長する世界各国と低迷する日本の差を考えると、庶民が海外旅行に行けるチャンスは今後ますます減っていくのではないでしょうか。

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