住まい・不動産

人気YouTuber「不動産アニキ」小林大祐氏が教える“不動産投資の極意” 「一発目で利益を出すのは無理」「土地値比率に注目して物件を選ぶ」

不動産投資に失敗しないためのポイントとは(イメージ)

不動産投資に失敗しないためのポイントとは(イメージ)

 年収450万円から総資産30億円を築いた人気不動産投資YouTuber「不動産アニキ」こと小林大祐氏(48)。不動産コンサルのホームコンサルティングソリューションズ代表取締役を務める傍ら、自身のYouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」(登録者数4万5000人超)で情報発信を続けている。

 小林氏は不動産投資で資産を増やしたが、不動産で“ラクして儲けられる”と思い込んで安易に手を出すと大損害を被ってしまうという。小林氏が不動産投資に失敗しないためのポイントを指南する。【前後編の前編。後編を読む

一発目の不動産投資でうまく利益を出すのは無理

 これから不動産投資を始めようという方は、「一発目の投資からうまくいくことは無理」ということを知っておいていただきたい。個人で不動産投資をする場合も、やることは三菱地所や森ビルといった大企業と同じです。つまり建物を買って、再商品化のリフォームをして、貸すということをやるわけですが、大企業が持っているビルの規模は桁違いですから、どこの業者もリフォームの仕事を受けたがるし、しかも安く請け負ってくれます。

 一方、個人でアパートを数戸持ってるくらいの零細大家は、リフォーム業者も安く請け負う必要がないので、僕が初めて区分所有を買った時のように、60万円でリフォームできるところに、300万円以上の見積もりを出してくることもあるわけです。

 リフォームコストを適価に抑えられないと、利益を出すことは難しくなる。だからこそ、大工さんや水道屋さんといった業者の人たちとの間に「まぁ小林さんのためなら一肌脱ぐか」というような関係性を作っていかなければなりません。当然、そういう関係を築くまではそれなりに時間がかかります。だから基本的に、一発目の不動産投資でうまく利益を出すというのはほぼ無理なんです。色々と自分で考えて行動しながら、時間をかけてコネクションを作っていくしかない。

「キャッシュで買う」よりも「銀行から借り入れて買う」べし

 そういう前提を踏まえたうえで、不動産を購入するためのアドバイスとしては「自分のカネではなく、銀行のカネで買え」ということですね。

 たとえば現金5000万円を持っている人が、5000万円の不動産をキャッシュで買ったとすると、通帳にあった5000万円が不動産資産に変わっただけで、総資産は変わらず5000万で、単純に資産の流動性が低くなり、動かせなくなる。そこに家賃収入が入ってくるとしても、リフォームのコストや空室リスクがあるし、定期的に必要な建物の大規模修繕工事は数千万単位かかることもある。それだと結局、資産形成になりません。

 なので5000万円現金を持っている人でも、銀行から5000万円を借り入れて不動産を買うべきなんです。その際は、「20年後も価値が目減りせずに同じ値段で売れる」という物件を選ぶことが絶対条件になってくる。その見極め方についてはあとで説明します。

 銀行から5000万借り入れて不動産を買う、すると、5000万円はそのまま通帳に残り、不動産資産が5000万円で、通帳の資金と合算すると総資産が1億円になる。もちろん銀行への負債も5000万円で、純資産5000万円は変わりません。それを利回り5%でキャッシュフローなど出なくていいので、しっかり20年間かけて賃料で銀行から借り入れた負債を返済していく。すると残債がゼロになった時には金融資産が5000万、不動産資産が5000万円で純資産が1億円になるという話です。同じ金額で売れる不動産を購入する事が前提ですので、僕の経験上、そのやり方が一番再現性が高く、大きく資産を築く事ができる実現性が極めて高い。

「価値が目減りしない物件」の見分け方 ポイントは「土地値比率」

 では、価値が目減りしない物件をどのように選べばいいか。「土地値比率が高い」「長きにわたって住宅需要があるエリア」というのがキーワードになってきます。世の中に出回っている物件のなかには、1億円の価格のうち土地の比率が2割、建物代が8割というようなものもある。建物は減価償却で価値が減っていくので、この1億円の物件は最終的には土地の値段(2000万円)に落ち着いていく。

僕は目黒駅や用賀駅(世田谷区)からそれぞれ徒歩5分ほどの場所に14億円の不動産を所有していますが、14億円のほとんどが土地の値段で、建物の比率はほぼゼロ。いずれも住宅用地としての需要が高く、そういうエリアの土地は価値が目減りしないので、買って損をすることは考えにくい。

 つづく後編記事では、現在進行中の「不動産バブル」の構図と、それを踏まえた「買っていい」「買ってはいけない」の判断基準、について解説しましょう。

■後編〈《「不動産バブル崩壊」に備える》人気YouTuber「不動産アニキ」小林大祐氏が教える「買ってはいけない物件」「これからもオススメのエリア」〉を読む

【プロフィール】
小林大祐(こばやし・だいすけ)/ホームコンサルティングソリューションズ株式会社代表。1976年6月7日生まれ。大学卒業後、富士ゼロックス関連会社に就職。富士ゼロックス本社に移籍。企業戦士となるが、「株式会社は株主の為に存在する事」に気づき27歳の時に兼業で創業。金無しコネ無し知識無しの全くのゼロから、総資産30億円を築く。2023年11月から運営するYouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」が人気に。

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