日本シリーズでDeNAがソフトバンクを破り、2024年のプロ野球は終了。これからストーブリーグに入るが、検証が必要なのが高い年俸をもらっている選手が、それに見合った活躍をしたかどうかだ。ここでは、各球団のエースの「1イニングあたりの年俸」と、4番打者の「1安打あたりの年俸」を算出。プロ野球を各種データから分析した『データ・ボール』などの著書があるライター・広尾晃氏協力のもと、各選手の年俸と成績から“コストパフォーマンス”を弾き出した。
各球団の「4番」のコスパを比較すると、最も良かったのは中日・細川成也(26)のヒット1本あたり28万8500円。現役ドラフトあがりで年俸が低いことが奏功した。ワーストは来オフのメジャー移籍が噂されるヤクルト・村上宗隆(24)。1安打あたり491万8000円は細川の約17倍。
「球団としても村上の年俸を6億円からさらに上げるのは難しい。ポスティングのメジャー行きで資金を“回収”する段階に入ったのではないか」(以下、「 」内は広尾氏)
各球団で最も登板回数が多い「エース」の1イニングあたりの年俸を見ていくとヤクルト・吉村貢司郎(26)、楽天・早川隆久(26)、西武・隅田知一郎(25)など、今年ブレイクした若手投手が1イニングあたり15万?22万円で高コスパだった一方、ワーストはソフトバンクの有原航平(32)で1イニングあたり約273万円だった。
「有原は14勝7敗でリーグ優勝に貢献したが、ベテランの大物投手はある程度のイニングを投げても割高になる。15勝3敗で復活を果たした巨人・菅野智之(35)も1イニングあたりの年俸は有原とほぼ同じ255万円。同じ巨人の戸郷翔征(24)の同100万円と比べてコスパが悪い結果となりました」
日本シリーズでは有原が第6戦の敗戦投手となり、DeNAの胴上げを許した。選手のコスパの面でも“下剋上”が起きたシーズンだったのだ。
※週刊ポスト2024年11月22日号