*14:31JST 米国株式市場見通し:主要3指数そろって高値更新も貿易摩擦には警戒
来週の米国株は、企業の決算発表がピークアウトするなか、第2次トランプ政権への政策期待とソフトランディング期待を材料に、しっかりの展開となりそうだ。パウエルFRB議長が利下げ継続を示唆したことも追い風となっている。投資家の心理状態を示唆するVIX指数は14pt台と9月以来の水準まで低下しており、投資家心理は良好で楽観ムードが強い。トランプトレードというトレンドが発生しており、主要3指数は高値更新で需給面も良好だ。陶酔感さえ感じられる強い市場環境と言えよう。
一方、トランプ氏は選挙戦で、全ての輸入品に10-20%の一律関税を課し、もともと高い関税を課していた中国製品については60%まで関税を引き上げると主張。第1次トランプ政権時には、中国が大豆など米国産農産物に対して報復関税を課したほか、EUも米国産鉄鋼などに報復関税をかけたことから、今後、中国やEUなどが米国産の農産物や素材、工業製品に報復関税を課すことを示唆する可能性は十分ある。各国との貿易摩擦の影響を市場が織り込んだ場合、関連する農産物、素材などに限らず米株全体のネガティブ材料となろう。
また、市場ではトランプ氏の政策によって2025年にインフレが再加速する可能性があることから、FRBの利下げペースが鈍化するとの見方が伝わっている。8日時点のCMEが提供するFedWatchでは、今年最後の12月FOMCにおいて25bpの引き下げを予想する割合が82%から64%に低下し、据え置き予想が17%から35%に上昇した。FedWatchは要人発言や経済指標で大きく変化しやすい傾向があり、参考程度に見ておいた方がいいものの、利下げペースの鈍化は株の重しとなるため金利動向は注視しておきたい。
経済指標では、13日に10月消費者物価指数、14日に10月生産者物価指数、週次新規失業保険申請件数、週次原油在庫、15日に11月NY連銀製造業景気指数、10月小売売上高、鉱工業生産指数などが予定されている。
主要企業決算は、11日に3Dシステムズ、ユニバーサル、12日にホームデポ、グルーポン、イーストマン・コダック、13日にシスコシステムズ、14日にウォルト・ディズニー、アプライド・マテリアルズなどが予定されている。
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