*07:59JST NYの視点:パウエルFRB議長はタカ派色強める、PPIは予想上回る、PCE価格指数の上昇を示唆
米国労働統計局が発表した10月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.2%と、予想通り9月+0.1%から伸びが拡大。9月も0.0%から+0.1%へ上方修正された。前年比では+2.4%と、伸びが9月+1.9%から拡大し7月来で最大。9月分は+1.8%から+1.9%へ上方修正された。コア指数は前月比+0.3%と、9月+0.2%から伸びが拡大。前年比では+3.1%。伸びは9月+2.9%から予想以上に拡大し、6月来で最大となった。
エコノミストは、連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として最も注視しているPCE価格指数予想を引き上げた。同指数にも反映されるPPIデータの項目で金融サービス料が3.6%上昇し、6カ月ぶりの大幅上昇となった。航空運賃も2022年末以来の大幅な伸び。ヘルスケア関連の項目も大半加速した。サービスコストは+0.3%。伸びは前月+0.2%から拡大した。機械および車両の卸売マージンの改善に加え、ケーブルおよび衛星放送の加入者サービスが押し上げ要因となった模様。
PPIの結果を受けPCEコア価格指数の予想を一部のエコノミストは前月比+0.3%に引き上げ。前年比では+2.8%と、+2.7%から伸び拡大予想となっている。
FRBのパウエル議長は14日の講演で、10月PPIが予想を上回ったとの見解。経済データが強く、利下げを急ぐ必要性が示唆されていないと若干タカ派姿勢を表明した。利下げ到達点を注意深く忍耐強く模索していき、中立金利の水準に近づくにつれ、利下げペース鈍化も可能だとした。
金融市場では12月連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ確率は80%近くから60%近くに低下。PCE価格指数が引き続き根強いインフレを証明した場合、利下げ観測が強まり一段のドル買いにつながる可能性がある。
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