10月の総選挙で立憲民主党から出馬し、比例復活で初当選した岡田悟・衆院議員(40)。「元週刊ダイヤモンド記者」の経歴だが、同僚たちとの諍いで騒ぎになっているという。ダイヤモンド社社員が語る。
「議員になった岡田氏ですが、現在もうちの社員です。ダイヤモンド社の就業規則で、『公務休職』では議員を辞める日まで給与・賞与が支払われることになっている。
当選後の挨拶で岡田氏が来社した時には、古巣の週刊ダイヤモンド編集部のあるフロアで開口一番、『私は居座ります』と宣言。退社の挨拶と思っていた社員たちから、“次に落選しても戻れる保険”をかけ、議員の報酬と会社の給与の両方をもらう姿勢に、疑問の声があがっているのです」
衆議院の規則では会社員との兼業は可能だ。ただ、本誌・週刊ポストの取材中に「社内での騒ぎを受け、公務休職者への給与・賞与について就業規則の改定へ会社と組合が協議に入った」(前出の社員)という。
ダイヤモンド社に訊くと、当初は給与・賞与が支払われる規則だったところを変更したと認め、「国会議員は主権者である国民の信託を受け、全国民を代表して国政の審議に当たる重要な職責を担っていることを踏まえ、会社として支払わないこととしました」(総務局長)と回答した。
「政治参加のハードルを下げる必要がある」
もう一方の当事者である岡田氏にも一連の騒動について訊いた。
――ダイヤモンド社の「公務休職」の場合は、給与と賞与が支払われる規則になっていた、と聞いたが。
「社内ルールについては私から申し上げることはできませんが、私に関しては給与も賞与も一切支払われない、という形になります」
――当初は支払われる規則だったものが、会社と組合が協議(して変更)したと。
「それは会社に聞いてください」
――当選後の11月にダイヤモンド社に来社し、「私は居座ります」と宣言した?
「『居座る』という言い方はしていません」
――そうした発言もあって、社内でも公務休職で給与をもらいながら議員をすることに批判的な声も高まったため、給与・賞与を払わないルール改定に会社が動いたのではないか。
「ひとつ申し上げられるのは、私のほうから社内の声のことは存じません。まぁ、それは色々あるでしょう。想像はできます。ただ、私のほうから給与が支払われない仕組み、あるいは会社の制度が詳しくわからないので、給与の受け取りをしない、あるいは寄付をするとかね、慈善団体に。こういう方向にしてくださいというお願いはしました。
私の言い方がどうであるとか、あるいは批判云々ということを受けて会社がそう対応したかどうかは知らないけれど、それと無関係に私のほうから給与とか賞与を実際には受け取らない形でお願いしたいということは、会社にお願いしました」
――それはいつのことですか?
「時期については……あの、ちょっとよくわかりませんが、それはしています」
――休職という形を選ばれたということは、これから国会議員活動をして、いずれはダイヤモンド社に戻ることを前提としているということでしょうか。
「一般的に政治参加のハードルを下げる必要があると思っています。資産家と世襲ではない、普通に働いている人が選挙に出る。選挙は当然、落選するリスクがありますから、落選した人も元の職場に戻りやすかったり、再就職をしやすい、そういう社会になることが私は望ましいと思っています。
退路を断っていないとか、一般的にそういう批判があることは承知をしていますけれど、戻るところがあるというのは色んな意味で安心感もありますし、そういう社会になればいいという考えです」
騒ぎを乗り越えて、その理想を実現できるのか。