FiscoNews

【注目トピックス 日本株】アスマーク:マーケティング・リサーチ事業で底堅い成長続く

*11:40JST アスマーク:マーケティング・リサーチ事業で底堅い成長続く
アスマーク<4197>は、マーケティング・リサーチ(MR)事業(24年11月期第3四半期累計売上高に対して約96%)とHRテック事業(同約4%)を展開する。

アスマーク(ASMARQ)という社名は、明日・未来(AS)とマーケティング(Marketing)、高品質(Quality)・探究(Quest)を組み合わせた造語である。2020年9月に調査会社としては初めてのオンラインインタビューツール「i-PORT voice」をリリースした。同社のリサーチを利用する顧客は、大手の調査会社、広告代理店、一般消費財メーカー、マスコミ関連企業等で2024年11月期第3四半期累計の顧客別売上構成は調査会社が33.8%、代理店・コンサルが13.9%、事業会社が41%、そのほかが11.3%となっている。前期2023年11月期のクライアント社数は1,101社、クライアント窓口数(取引口座数)は2,413窓口、年間売上500万円以上の大口顧客数は175社で、大口顧客が売上全体に占める割合は74%に増加。また、リピート率は94.2%で、多くの顧客が継続顧客になる特徴を有している。現在の有効パネル数は100万人超となっており、国内でも大規模な自社パネル基盤を有する。

2024年11月期第3四半期累計の売上高は前期比4.3%増の3,352百万円、営業利益は同18.3%増の336百万円の増収増益で着地し、第3四半期累計期間における過去最高を記録。直接案件を受注できる事業会社を中心としたMR需要が引き続き高まり、特に対面でのグループ・インタビューやデプスインタビューといったオフライン調査の受注が大きく伸長、インターネットリサーチ及びオンラインインタビュー調査の受注も引き続き好調に推移したようだ。また、グローバルリサーチ売上は同27.2%増と大幅に成長した。通期の売上高は前期比10.2%増の4,720百万円、営業利益は同13.6%増の360百万円を見込んでいる。

国内MR市場が過去5年CAGR3.8%を続けているなかで、同社は過去5年CAGR10%と市場成長率を上回る業績を継続している。従来同社では調査実務のみを大手リサーチ会社から受託していたが、直近は調査企画設計も自社で行える体制となっており、業界最高水準の調査品質の構築・提案・分析力の向上により調査依頼者(顧客)からの直接受注が拡大している。また、代替受託会社が不在のため大手のリサーチ会社からの受注も減少せず、継続・拡大している。年間取引社数1,000社以上、リピート率94%以上、他業種のクライアントが存在している点は、かなりの強みとなっている。さらに、同社の海外リサーチ売上高は過去5年CAGR34%と健闘している。自社保有の在日外国人パネルへのリサーチをフックに今後も成長を見据えており、売上に占める割合を10%まで引き上げる計画。そのほか、HRテック事業でも在籍管理ツール「せきなび」・ES調査・ハラスメント防止「CHeck」などのサービスに注力して実績を積み上げつつある。株主還元は、総還元性向30%を目安として安定的な配当を実施していく想定であり、配当利回りは2.77%。将来的には豊富なキャッシュを活かした投資やM&Aも視野に入ってきそうで、業績の底堅い成長が続く中、配当利回り2%超えの同社の動向に注目しておきたい。

<NH>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。