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《自動車業界さらなる大再編へ》亡くなった鈴木修氏が見据えていた「スズキの後継者問題」と「トヨタとの関係強化」

トヨタの豊田章男会長と鈴木修氏(写真・時事通信フォト)

トヨタの豊田章男会長と鈴木修氏(写真・時事通信フォト)

 日本の自動車業界は大再編時代に突入している。昨年末には日産とホンダが経営統合に向けた協議に入った。クルマの「スマートフォン化」など、業界が100年に一度の大変革期を迎えるなか、各社は競争を生き抜くためにあらゆる可能性を探っている。

 そうしたなか、2024年末に亡くなったのがスズキの相談役だったカリスマ経営者・鈴木修氏(享年94)だ。スズキを5兆円企業へと成長させ、軽自動車を含めた国内販売シェアではトヨタに次ぐ第2位まで同社を押し上げた。

 修氏が亡くなった後のスズキはどう動くのか。本誌・週刊ポスト(1月17日発売号)では、自動車業界に精通するジャーナリスト・井上久男氏のレポートを掲載している。

 井上氏は朝日新聞記者だった2000年頃から修氏に対して「後継者問題をどう考えるか」という問いを投げかけてきた。当時の修氏はその問いに「スズキはチーム経営になる」といった答え方をしていたというが、その後、後継候補だった娘婿の小野浩孝氏が2007年に52歳の若さで亡くなるなどの困難にも直面した。

 2015年には修氏の長男・俊宏氏が社長に就任。2021年に修氏が会長を退いて相談役となった際には、トヨタ自動車でキャリアを積んだ後にスズキに迎え入れられた石井直己氏が専務役員に昇格している。井上氏はこの人事がひとつのカギであり、修氏がトヨタとの関係強化こそがスズキの生き残りのために必要と考えていたのではないかと読み解く。

 もともと修氏は、2023年に亡くなった豊田章一郎・トヨタ名誉会長を兄のように慕っていたが、鈴木家と豊田家はそれ以外にも様々なところで関係を深めていた。井上氏のレポートでは、修氏の長男・俊宏氏はもちろんのこと、孫でスズキに勤務する30代のA氏もすでにトヨタと深い関係性があることが明かされる。

 現在、「マネーポストWEB」では、井上氏のレポートを全文公開している。別記事〈【スクープレポート】スズキ創業家が“トヨタ入り”していた カリスマ経営者・鈴木修氏死去で加速する豊田家との蜜月関係、自動車業界「大再編」もあるか〉では、「修氏―俊宏氏―A氏」の“スズキ3代”を軸に、同社がどのように激動の荒波を乗り切る戦略を描いているとみられるかが紐解かれている。

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