*06:39JST NY株式:NYダウは289ドル高、ハイテクが重し
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は289.33ドル高の44,713.58ドル、ナスダックは612.46ポイント安の19,341.84で取引を終了した。
中国の格安な人工知能(AI)モデルへの脅威を背景とした世界的なハイテク株売りにおされ、寄り付き後、下落。半導体のエヌビディアなどの急落がけん引し、ナスダックは大幅続落した。一方、一部主要企業の好決算が支援したほか、12月新築住宅販売が予想以上に増加するなど良好な経済指標を受け景気への楽観的な見通しにダウは上昇に転じ、終盤にかけ上げ幅を拡大し、まちまちで終了。セクター別では、電気通信サービスや家庭・パーソナル用品が上昇した一方で、半導体・同製造装置が下落した。
通信のAT&T(T)は第4四半期決算で、プロモーションが奏功し携帯電話や光ファイバー インターネットの契約件数が予想以上で調整後の1株当たり利益が予想を上回り、上昇。化粧品メーカーのエスティローダー(EL)は経営陣の交代、ブランドの見直し計画を発表し、上昇した。クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース(CRM)、IT管理ソフトウエアメーカーのサービスナウ(NOW)は格安で高性能なAIモデルが可能になれば経営に有利に働くとアナリストが指摘し、それぞれ上昇。ソーシャルメディアのフェイスブック(FB)運営のメタ・プラットフォームズ(META)もソースコードが公開されているオープンソースのソフトウエア開発モデルを供給しているため、優位との見方に堅調。
アプリケーションソフトウエア会社のトゥイリオ(TWLO)は好決算を受け、アナリストが投資判断を引き上げ、上昇。住宅建設会社のKBホーム(KBH)、DRホートン(DHI)などは予想を上回った新築住宅販売件数や金利低下を受け、売り上げ増期待に上昇。半導体のエヌビディア(NVDA)や同業ブロードコム(AVGO)などは中国の格安・高性能とされるAIモデルを巡り競争激化への警戒感浮上を背景に、株価見直しなどが進み、大幅安。電力会社のGEベルノバ(GEV)も、AIが一段と効率的になりエネルギーの必要性が減るとの懸念に、売られた。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数はほぼ1か月ぶりの高水準に達した。
(Horiko Capital Management LLC)
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