「ケチ」という言葉は悪い文脈で使われることが多い。しかし、「ケチで何が悪いか!」と開き直るのは、節約本の著書もあるネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。同氏は全面的にケチに同意しているワケではなく、「自分自身にだけ関することであればケチでいい」と考えているという。一体これはどういうことか。
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「ケチ」という言葉は幼少の頃よりネガティブなニュアンスで使われる言葉であります。親がゲームソフトを買ってくれなかった場合は「なんだよぉ! 来夢(らいむ)くんのお母さんは買ってくれたんだよ! お母さんのケチ!」「来夢くんのお家は来夢くんのお家、ウチはウチ!」なんてやり取りがあります。
はたまた、若い男性が女性を食事に誘って1円単位まで割り勘になった場合、後日その女性は友人に「あの吉田って野郎、自分から誘っておいて割り勘だったの。しかも、『ボクは6723円でキミは6722円でいいよ』なんて言うの!」「なに、そのケチ男!」「ねーっ、信じられないでしょ!」なんて言う場面も想像できますね。
ケチのことを恥ずべき行為だと認識する人がこの世の中には多いのです。まぁ、確かに1円の単位まで割り勘を強いる男はケチであり、「常識知らず」ということで恥じてもいいとは思いますが、そこまでケチは悪いことではない。昨年、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)というドラマが大ヒットしましたが、『ケチは恥だが役に立つ』こともあります。