アベノミクスに伴う景気回復への期待が高まるなか、富裕層を中心に個人消費が拡大中。株式市場でも個人消費関連の銘柄が注目を集めている。フィスコ取締役・中村孝也氏は、今後の注目銘柄としてトライステージ(東証マザーズ・2178)を挙げている。
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テレビ通販支援を手がけるトライステージの業績回復が鮮明になりそうだ。同社は、通信販売を行なう企業を顧客として、テレビ通販番組枠や通販CM枠の販売を主力に、顧客の要望に応じて商品開発支援やテレビ番組・CM制作支援なども手掛ける。
顧客企業に提供するメディア枠の中でも最も大きな比率を占めるテレビ通販番組放送枠では、同社は「大量一括仕入れ」を実践している。これにより大量の放送枠を割安で仕入れるとともに、仕入れ先である広告代理店やテレビ局との信頼関係を築き、安定的かつ長期的な取引関係を構築している。こうした取引関係が新規参入者には高い参入障壁になっているとともに、顧客企業にとっては臨機応変な媒体戦略が可能になるなどのメリットとなっている。
顧客企業の商品サイクルやテレビ通販市場の環境変化で顧客企業の収益性が低迷し、メディア枠の見直しで同社の地上波テレビ通販市場におけるシェアも半年前の30%から25%に減少。2013年2月期の業績は減収減益となった。ただし、メディア枠を見直して利益率の改善を目指したという点は評価される。実際、2014年2月期は大幅な増益が見込まれている。
また、強固な財務基盤を維持しており、PBR(株価純資産倍率)が約1倍程度で、ネット・キャッシュが時価総額に迫るなど、割安感も強い。