*16:32JST 米中貿易摩擦激化への懸念和らぎ一時35000円台回復【クロージング】
23日の日経平均は3日ぶりに大幅反発。648.03円高の34868.63円(出来高概算18億1000万株)で取引を終えた。22日に米国ではベッセント米財務長官が中国との貿易交渉進展は可能と伝わったことが材料視され、主要な株価指数は軒並み2%を超える上昇となった。こうした流れを引き継ぐ形となった日経平均株価は買い先行で始まると、取引開始直後には35142.12円まで上値を伸ばした。ただし、朝方に一時143円台に乗せた円相場は、その後141円台と円安が一服したこともあり、買い一巡後は34800円前後での推移が続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1350に迫り、全体の8割超を占めた。セクター別では、水産農林を除く32業種が上昇し、輸送用機器、ゴム製品、保険、電気機器の上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、ソニーG<6758>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、中外薬<4519>、ニトリHD<9843>、コナミG<9766>、エムスリー<2413>、良品計画<7453>が軟化した。
ベッセント米財務長官の発言を受けた前日の米国株高のほか、朝方にはトランプ米大統領が、「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を解任するつもりはない」と発言したことが伝わり、ギャップアップからのスタートにつながった。インデックスに絡んだ資金流入によって指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われ、日経平均株価の上げ幅は一時900円を超えた。一方、このところ堅調だったニトリHD、神戸物産<3038>など先駆した円高メリット株には利食い優勢の展開だった。
日経平均株価は節目の35000円を捉えてきた。いったんは目先的な達成感が意識されやすいほか、本格化する決算を控えるなか、積極的な売買は手控えられやすいだろう。ただし、足もとのリバウンドにより3月高値から4月安値の下落幅に対する半値戻し水準を明確に上抜けてきたことで、売り方の買い戻しの動きは強まりやすいだろう。引き続きトランプ大統領の発言に振らされやすい需給状況であるが、これまでのところ、発言によって下落する局面においては押し目買いが有効である。
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