メールやSNSなどを経由して勝手に送られてきたURLなどを1回クリックしただけで「入会ありがとうございました」と表示され、一方的に契約したことにさせられ多額の請求をされる「ワンクリック詐欺」。一度のクリックで契約は成立しないことが広く知れ渡ったためか、最近は、ワンクリックではなく複数回のクリックを理由に請求を求める悪質なトラブルが発生している。
例えば、〈再生〉や〈年齢確認〉、〈サイト入室に同意〉など数回クリックするうちに、〈入会手続き完了〉と表示され、キャンセルするために業者に電話をかけたら「ワンクリックではなく複数回もクリックしたのだから入会の意思はあったはず。キャンセルできない」と言われるケース。
ワンクリック詐欺ならぬ「4クリック詐欺」が最近急増している。IT事情に詳しい弁護士の岡田崇氏は言う。
「4回ぐらいクリックしたことで、ワンクリック以上に“無視することへの不安”を大きくする効果を狙っています。この場合でも、高額な入会金に同意していなければ支払い義務は発生しません。仮に支払ってしまったら、取り返すのは非常に難しい。法的に戦うことはできますが、ネット上の詐欺業者は実態が掴みづらく、当事者となる相手を探すこと自体が困難です」
※週刊ポスト2017年4月14日号