先週(4月10日~14日)の上海総合指数は前半と後半で地合いが大きく変わった。11日(火)は後場寄り後崩れかけたものの、切り返すと大引けにかけて買われ、0.60%上昇、終値は3288.97ポイントを付けた。この時点では北朝鮮情勢の緊迫化は問題にされず、終値ベースで昨年1月6日以来の高値を記録、2月後半以降、4回目の挑戦にして昨年11月下旬の天井圏を上抜けするのではないかと思われた。
しかし、その後、勢いは続かなかった。4月に入り相場を牽引してきたのは雄安新区関連銘柄だ。代表銘柄は、金隅股フェン(601992)、巨力索具(002342)、河北宣工(000923)、渤海股フェン(000605)、唐山港(601000)、保変電気(600550)といったところで、それらはストップ高が続いていた。
しかし13日、14日と2日間、こうした主力銘柄が売買停止となった。公表された売買停止の理由は、株価の急騰である。表面上は自主的な売買停止だが、背後には当局による指導があったことは明らかである。
李克強首相は11日、「中央政府は広東香港マカオ大湾区発展計画を研究しており、本土と香港間で“債券通”を推し進める計画である。本土と香港の交流提携をさらに一歩進め、香港発展のために新たな動力を注入し続けることが目的だ」と発言。12日には広東香港マカオ大湾区関連銘柄に物色対象が広がっていた。そうした矢先での当局による雄安新区関連銘柄急騰への関与である。投資家心理は急速に悪化した。
北朝鮮情勢が緊迫化した14日には、その影響も加わった。上海市場の売買代金は前日よりも少し増えただけなので、投げ売りが出たわけではないが、終日、売りに押される展開となった。