金利と相場は密接に関連している。そして当然のことながら、マーケットは常にアメリカの利上げに対して大きい関心を抱いている。しかし、「そもそもなぜアメリカは利上げをしようとしているのか?」その真意をきちんと理解しているトレーダーは多くない。
そこで今回の記事ではFX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、米国利上げの意図について解説する。また「次はいつ利上げされる可能性が高いのか?」、さらに「6月の利上げの有無によって相場はどのように反応することが想定されるのか?」といった疑問にも答える。
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今月5月12日に、アメリカの「4月CPI(消費者物価指数)」と、「4月小売売上高」が発表されました。それぞれどちらもあまり良い数字ではありませんでした。CPIは前月比予想+0.2%に対して前月比+0.2%、前年比予想+2.3%に対しては前年比+2.2%となり、小売売上高は前月比予想+0.6%に対して前月比+0.4%でした。極端に悪い数字ではありませんが、微妙な数字だったと思います。
では、なぜこのような結果になったのでしょうか?
1つ要因として考えられることは、一昨年の12月からこれまでに3回行われている「利上げ」です。利上げに伴い、住宅や自動車など高額なものを購入する際に組むローンの金利も上昇しますので、住宅や自動車などを買い控える傾向が生まれます。そしてその傾向が数字として現れ始めている、ということです。
もしかしたらこの話を聞いて、「えっ、だったら利上げしないほうが良いのでは? 高額品が売れなくなるのにあえて利上げする必要があるのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、利上げには明確な意図があります。