「CFD」のマーケットが拡大している。従来、個人投資家が取引をしようとすると、面倒な手続きが必要でコストも割高だった金融商品が、よりカンタンかつ低コストで取引ができるようになってきた。
そこで、改めてCFDの基本とともに、そのメリットおよび取引の際の注意点について解説しよう。
CFDとは?
そもそもCFDとは「差額決済契約」のこと。CFDの取引はさまざまな金融商品の「価格」を対象とするが、金や株式などのような資産の現物の受け渡しはおこなわれない。反対売買をすることで取引が終了する。
この差額決済契約の代表的なものがFX(外国為替証拠金取引)だ。つまり、FXは通貨を取引対象としたCFDといえよう。
CFDの仕組み
したがって、CFDは国内外のさまざまな株価指数や商品(コモディティ)、株式を投資対象としているので、株価指数やコモディティ、個別銘柄をFXのように取引をすることができることになる。このように考えると、CFDの仕組みを理解しやすい。
CFDの取引には店頭CFDと取引所CFDの2種類がある。店頭CFDは、CFDを取扱う会社の提示した価格で取引をする(これを相対取引と呼ぶ)。
一方、取引所CFDは、日本で唯一のCFDの取引所である東京金融取引所の「くりっく株365」で提示される価格で取引をする。「くりっく株365」の価格は、複数の業者が提示する価格のうち、投資家にもっとも有利な価格が選ばれるが、店頭CFDの価格よりも有利とは限らない。
また、店頭CFDと取引所CFDは、投資対象やレバレッジ、手数料などが異なる。
CFDの4つのメリット
メリット1:少額取引
FXの特長といえば、なんといっても少額の資金で投資ができるところだ。当然、CFDにもあてはまる。
FXは、国内では投資する資金の最大25倍に相当する取引をすることができる。簡単にいうと、投資する資金が1万円なら最大25万円分の取引が可能となる計算だ。取引に必要な最低限の資金を「必要証拠金」、倍率を「レバレッジ」と呼ぶ。
一方、CFDの場合、取引をする会社の金融商品によっては50倍、80倍まで可能となっているケースがある。投資家がレバレッジを高くすれば、必要証拠金は少なくなり、低くすれば必要証拠金は多くなる。レバレッジを高くすればするほど、損失も利益も大きくなるハイリスク・ハイリターンの投資となる。
メリット2:24時間取引
さらに、FXのようにほぼ24時間取引ができる点もCFDのメリットといえるだろう。
CFDは個別の金融機関を取引相手とする店頭取引と、金融機関を経由して取引所で売買する取引所取引に分かれるが、いずれも朝方の一部時間帯を除き売買が可能。
祝日でも取引ができるものがほとんどだ。