優待内容ひとつで株価が左右されるほどの人気となっている株主優待。しかし中には、優待投資に潜む思わぬ落とし穴にハマった人もいる。
4万4000円相当の高級エステ利用券をもらうために、8万4000円の逆日歩を支払うハメに……笑えない話だが、今年3月下旬、高級エステ「オリーブスパ」を展開するKeyHolder(4712)の株主優待をタダ取りしようとして、実際に起きた悲劇だ。
デイトレーダーのむらやんさんも同様の経験があるとか。
「以前、音通(7647)で3000円の『そば素麺セット』をもらうためにクロス取引をしたら逆日歩(*注)がついて、18万円かかることに。餃子の王将でも、6000円の優待を取るために支払った逆日歩は4万5000円。18万円の素麺と4万5000円のチャーハン券が届くまで気分はドン底でした」
【*逆日歩:制度信用取引で貸借銘柄を空売りした投資家が負担するコスト。各証券会社によって設定される一般信用取引の場合、逆日歩はつかない】
優待投資で注意すべきは逆日歩だけではない。個人投資家のRYUさんが語る。
「日本商業開発(3252)はジェフグルメカードをもらうのに300株以上必要なのに、間違えて100株しか買わなかったことがあります。他にもヴィレッジヴァンガード(2769)の優待が、それまでの1万円分の商品券から最大50%引き券に変更されたときは株価も下がるし、ダブルパンチでした」
せっかく優待をゲットしても、落とし穴は待っている。