決算報告もできない状態で迎えた東芝の株主総会(6月28日)は、もはや怒りというより、諦めムードが漂っていた。
「株主たちは一様に悲壮感を漂わせており、『東芝はもう三流以下の会社なのに、危機感が見えない』といった経営陣への厳しい批判が相次ぎましたが前回の臨時総会(5月)のようにヤジが飛ぶ場面はほとんどなかった」(経済部記者)
虎の子の半導体子会社を売りに出し、東証2部落ちも決まった。上場廃止どころか倒産も現実味を帯びてくる中、紙クズになる前に株式を手放す投資家も後を絶たない。不正会計発覚後も昨年末まで400円台半ばを保っていた株価は、総会翌日には270円台まで落ち込んだ。
ところがその東芝株を、「今こそ買い」と唱える男がいる。かつて村上ファンド(M&Aコンサルティング)を率いて時代の寵児となった村上世彰氏である。