アズビル(6845)市場平均予想(単位:百万円)
企業概要
オートメーションという概念を日本でいち早く取り入れ、1906年の創業以来一貫して、計測・制御の技術によって工場やビルなどの生産性向上、省エネに貢献してきました。近年では、ガス・水道等のライフラインや医療、住宅空調の分野でも事業展開を進めています。特に空調設備の制御技術は国内トップシェアを誇り、110余年で培ってきたノウハウや経験、ユーザー基盤も競争力となっています。
特徴としては、建物の用途や生産品目、ライフサイクルの各段階ごとで異なる、細かいニーズに対応することができる一貫体制を構築しており、コンサルティング企画開発から販売、施工、メンテナンスまで様々なサービスを提供しています。
特に、主力のBA事業は納入後に更新やメンテナンス需要が発生することから、同社の収益安定化の一翼を担っています。同社はこのBA事業による安定収益をベースに、海外進出や新領域での事業拡大を進めています。
注目ポイント
業績は最高益更新の見通しとなっており、中期的な見通しも明るいです。オリンピックや都市再開発での需要が見込まれる他、建築コスト上昇などで先延ばしされている案件から発生する需要、バブル期に建てられたビルなどの改修需要の発生が見込まれるためです。
今後、IoTやAIを活用したオートメーション化や省エネ技術の開発、ガスや水道、医療分野での事業を強化しく計画です。IoTを軸としたスマートハウスやFAなど、第四次産業革命に係り合いの深いところです。
BA事業の業界でのポジションとストックビジネスとしての役割、ファクトリーオートメーションの進展を背景としたAA事業の成長余地、そして良好な財務基盤と株主還元策を評価したいと思います。
株価は上昇基調を崩していませんが、利益改善が進んでいることに加え、指標に割高感はないと思われます。50日移動平均線あるいは25日移動平均線を下支えとした動きを期待したいと思います。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ)1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。著書に『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。