総務省2013年調べによると、空き家所有者の約7割が空き家を放置しているため、全国にある空き家は約820万戸に。財産というより悩ましいお荷物と化している空き家は、売るのがベストと専門家は言う。
しかし、すぐ売れない場合、空き家のままにしておくより、維持管理費分を浮かせる手段として、賃貸にして家賃収入を得ようと考える人も多い。不動産の調査・コンサルティングを行うスタイルアクトの沖有人さんは、こう語る。
「相続した空き家が、賃貸できる物件なのか考える際に大切なのは、立地と築年数です。というのも、郊外や地方は借り手がつきにくく、また、築30年などの老朽化物件をリフォームした際の修繕費や設備代が、家賃収入を上回る可能性が高いためです」(沖さん)
もちろん固定資産税などの税金もかかるため、設備投資費と合わせると、家賃収入があったとしても、収支はプラスマイナスゼロか、むしろマイナスになるケースが多い。単に維持管理する以上の費用と手間がかかってしまう。