株式投資における利益のうち、企業が利益を株主に分配するのが「配当」です。配当ゼロという企業もあるなかで、3%を超える高配当利回りの銘柄もあります。「高配当になりがちな銘柄」にはどんな特徴があるのか、また、気をつけるべきポイントはどこなのかをお伝えします。
高配当になりがちな「中小株」
まず答えから。配当利回り(配当金÷株価)が高くなりやすい銘柄のひとつは「中型・小型株」です。
東証1部に上場しているおよそ1700の銘柄について、東京証券取引所は、時価総額(株価×発行済株式総数)の大きさと流動性の高さから3つのグループに分けています。上位100位までが「大型株」、101~400位が「中型株」、それ以外が「小型株」となっています。
「大型株」にはトヨタ自動車、NTTドコモなど、日本を代表する大企業が並びます。それを考えると、中型株や小型株は、そのままでは大型株の知名度と比べて見劣りするため、「高配当にするから買って」という企業側の思惑を感じますね。
「流動性」が高くない点に要注意
この際に注意したいことは、中型・小型株は(大型株に比べて)流動性が低くなりがち、ということです。「流動性」とは、簡単に言うと「売りたいときにいつでも売れて、買いたいときにいつでも買える」ということです。
「流動性は高ければ高いほどいい」のです。なぜか。流動性が高いということは「この株を買いたい」「売りたい」という人で市場がにぎわっているということ。そういう状況であれば、自分が売りたい(買いたい)価格で、ほぼ希望どおりに売買することができます。
反対に、流動性が低いとどうなるでしょうか。「この株を1500円で買いたい」と手を挙げたところで売ってくれる人がおらず、「1700円でないと買えなかった……」なんてことにもなりかねません。売るときも同様です。
売りたいときに売れることが重要
中型・小型株も、その後に企業が順調に成長し、株価や知名度が上がっていけば、流動性は高くなっていきます。よって、「この銘柄は上がる!」(=企業として成長する)と期待して投資し、「5年くらいは保有し続ける」つもりならば、そのうち流動性は改善されることでしょう(もちろん「企業が成長する」という前提あっての話ですが)。
しかし、「配当目的で購入し、かつ、必ずしも長く保有するつもりではない」場合は、いつでも流動性を気にせず売買いできる大型株に比べ、中・小型株は流動性が低くなるため、売りたい価格で売れずに思わぬ不利益を被る可能性があることを忘れないようにしましょう。