2017年上半期、日経平均株価は2万円を挟んだレンジでの推移が続いているが、IPO(新規上場)市場はどんな相場だったのか。投資情報サイト「IPOジャパン」編集長・西堀敬氏が、IPO件数、公開価格と上場初値の相関など、様々なデータをもとに分析する。
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2017年上半期(1~6月)のIPO件数は39件となった。アベノミクス相場が本格化した2013年以降の年間IPO件数は2013年が54件、2014年が77件、2015年が92件、2016年が83件。上半期で40件と、2015年、2016年と同様の順調な推移から考えて、2017年の年間IPO件数は85~90件程度が見込まれそうだ。
では、2017年上半期にIPOした銘柄のパフォーマンスはどうだったのか。全39銘柄で、上場後についた初値が公開価格を上回れば「勝ち」、下回れば「負け」、同値なら「分け」という基準による勝率を見ると、35勝4敗0分けで90%。これは、2016年(全83件)の勝率80.72%を大きく上回っている。
さらに、初値が公開価格に対して何%上昇したかという「初値騰落率」で見ても、39銘柄の平均初値騰落率はプラス115%と、2016年のプラス72%をはるかに凌駕する高パフォーマンスとなった。中でも、初値騰落率が高かったトップ3を挙げると、1位がビーブレイクシステムズ(3986)のプラス361%、2位がユーザーローカル(3984)のプラス325%、3位がシャノン(3976)のプラス320%(市場はいずれも東証マザーズ)。この3銘柄は、公開価格に対して初値が4倍以上に跳ね上がった。