中国本土の鉄鋼株が急騰している。大手鉄鋼メーカーについて、5月31日と8月4日の終値を比べると、宝鋼(600019)は32.1%、包鋼(600010)は34.2%、河鋼(000709)は21.8%、鞍鋼(000898)は36.8%、それぞれ上昇している。この間、上海総合指数は4.6%、深セン総合指数は2.8%しか上昇していない。
急騰した理由ははっきりしている。業績が良いからである。中国の金融情報会社・同花順iFinDデータによれば、7月31日現在、A株企業25社が2017年6月中間期業績見通しを発表しており、22社が増益、黒字転換などを発表している。この内、河鋼、鞍鋼など10社が100%以上の増益、宝鋼など3社が50%以上の増益を発表している(8月7日現在、包鋼は見通しを発表していない)。
河鋼について、純利益は181.17~210.51%増益になると同社は発表しており、理由について、「鋼材価格が安定している中で、市場動向に合わせた生産、コストコントロールを強化している。また、優良顧客の比率を高め、生産構造を優良化したことで、大幅増益を達成した」としている。
企業努力はもちろん重要だが、実際の業績動向にもっとも影響を与えるのは価格である。
国家発展改革委員会価格監測センターが発表している鋼材価格の動きを追ってみると、2016年3月あたりから、大きな上昇トレンドが出ている。ただし、その動きは少し複雑である。2016年の段階で急騰しており、今年に入ってからは、年初は安く、2月から3月にかけて急上昇したが、それから5月にかけては大きく下落している。その後は再び上昇トレンドを形成している。大まかな価格変動を示したが例えば、長材と板材と比べると、上げ下げの時期は同じだが、長材の方が強く、板材の方が少し弱いといった違いがある。