今や、「還暦を過ぎたら悠々自適」というのは夢のまた夢。今年度の年金受給額は0.1%引き下げられる一方、納める年金保険料は増額した。年金だけでは日々の生活がおぼつかない時代が到来している。
年金を受けられる人が60才以降も働いた場合、年金の一部または全額が支給停止される「在職老齢年金」という制度がある。とはいえ、すべてのケースで支給停止されるわけではない。例えば、「主婦の場合、60才以降で収入があるからといっても、年金が減額される心配はほとんどない」(社会保険労務士の井戸美枝さん)と言う。
「65才未満で働いている場合、年金月額+給与月額が28万円以上の人、また、65才以上で働いている場合は、年金月額+給与月額が46万円以上だと、年金がカットされます。ただし、カットされるのは厚生年金として納めた分だけ。現役時代に会社勤めをし厚生年金に入っていた人は対象になりますが、夫の扶養に入っていた主婦は国民年金なので該当しません」 (井戸さん)
むしろ問題は国民健康保険だ。夫の扶養に入っている主婦が60才以前から働き、年130万円以上稼ぐと扶養から外れ、国民健康保険料を払わないといけなくなる。ただし、労働時間を週30時間以上に増やせば、勤務先の健康保険に入れる。そうやって、健康保険料を企業に半分負担してもらうのが得策だ。
※女性セブン2017年9月28日号