好調な米国経済を背景にドル高が進むなか、日本の金融緩和によって円安が一気に加速。2015年半ばにも米国の利上げが予想され、「大円安時代」が到来しようとしている。そうした中でどんな投資対象を選べばよいのか。グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が、2015年に注目の投資対象を紹介する。
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まず避けたいのは、原油などの資源をはじめとする商品だろう。ドルとの逆相関関係がある資源価格はほぼ全面安が続いている。商社などの資源関連株やブラジル、ロシアなどの資源依存国への投資も当面は見送った方が無難だろう。また、これまで好調とされてきた半導体関連だが、米国の大手半導体メーカーが決算発表で業界全体のダウントレンド入りを示したことで下落基調に転じている。このセクターも注意が必要だ。
有効な投資先として米国株に直接投資する選択肢もあるが、NYダウが史上最高値更新を続けているように、すでに高値圏にあるため、ここから大きな上昇は望みにくい。
そこで注目されるのが、日本株である。さまざまな外的要因に左右されるリスク株の集合体といわれてきたからこそ、今後は、より大きな値上がりが期待できる。緩和発表直後から外国人投資家がこぞって注目し始めたように、いま世界で最も魅力的な投資先が日本株なのだ。
相場全体の上昇が見込めるとはいえ、より大きなリターンを狙うのであれば、注目テーマに沿った銘柄選別は不可欠となる。そこで注目したいのが、円安ドル高で収益拡大が望める対米輸出に強い企業や、巨大な北米市場を持つ自動車関連。円安による外国人観光客の増加が追い風となる業種も注目だ。
あるいは、アベノミクスの進展に伴って、株価と同様に資産価値の上昇が見込める不動産関連のほか、インフラ工事や人材派遣も有望だろう。特色あるサービスで業績を拡大している内需関連も有力候補といえる。
※マネーポスト2015年新春号