投機筋という言葉を聞いたことがあると思います。短期的に大きな額で取引をし、利益獲得を目指す「ヘッジファンド」などがそう呼ばれますが、投機筋とは真逆とも言える相場参加者が「実需勢」です。
実需とは「輸出企業が輸出した製品の代金を外貨で受け取り、これを円に交換するために、外貨売り円買いをする」ことや、「輸入企業が海外から製品を輸入した代金を外貨で送金するため、外貨買い円売りをする」といった、“実際の需要に基づいた為替取引”です。
これは「売りきり」「買いきり」言い換えれば、「売りっぱなし」「買いっぱなし」の為替取引です。
2014年の「ドル/円」に実需取引が大きく影響した時期があります。2014年の9月以降、「ドル/円」はこれまでの102円近辺から、年末には120円まで上昇しました。上昇のエネルギーは「ドルを買い遅れた輸入勢」が大きく影響していました。
一方、投機筋は「売ったら買い戻す」必要があり、「買ったら売らなければならない」という宿命を負っています。投機は、売りきり買いきりの実需には適わないところがあります。
投機筋が「どのような時期、時間帯に動いてくるか」など詳しいことについては、別の機会でご説明しますが、このようなプレイヤーが相場にいることは覚えているといいでしょう。
投機筋の動きのポピュラーな例をご紹介しますと、並んでいる輸出の売りオーダーを、彼らが買い上げて上抜き、さあさらに上伸かと見えたところ、結果的に上がらず、チャートの右端のように一転投げ売り(持っていた買いポジションをすべて決済すること)に回ることがあります。急騰・急落が起きている背景に彼らが動いていることも良くあります。急騰・急落に関しては以前書いた【水上紀行の為替相場の本質】 急騰・急落のメカニズムをご覧ください。
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