国内で販売されている一般的な投資信託(以下、投信)の数は6149本(9月末時点)に及ぶ。そんな中から、どの商品を選べばいいのだろうか。特に「投信をやったことがない」というシニア層にとって、老後の資産形成に沿った投信にはどんなものがあるのか。楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子氏が言う。
「60歳以上の人の投信選びは、虎の子の老後資金を『守りたい』のか、あるいは『増やしたい』のかによって変わります。多くの人が前者でしょうから、リスクを抑えつつ、インフレが来ても老後資金が減らない程度の年利3~4%ぐらいのリターンを目指すように運用されている“安定型”の投信がまず選択肢に入ってきます」
それではどんな投信がよいのか。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦氏は、インフレにも強い超安定型の代表格として、『ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド』(ピクテ投信投資顧問)を挙げる。
「日本を含む世界の株式や債券などに分散投資している商品です。それぞれの相場の変動局面に応じて、臨機応変に投資先を組み替えることでリスクを抑えつつ、利回りはさほど高くないが中長期で安定した収益の獲得を目指している。60歳以上の人には特に向いている商品だと思います」