リタイア世代の投資としてはまず投資信託やETF(上場投資信託)が考えられるが、それに比べて、個別株投資は一般的にリスクが高いのは間違いない。ただし、投資家に人気で取引が盛んな銘柄は、下落リスクが低く、ある程度のリターンが期待できる。
その代表格が、「国策株」である。フィスコの株式・為替アナリストの田代昌之氏が解説する。
「日本政府の国策投資の恩恵を受けると思われる関連銘柄は、国策株と呼ばれて投資家の人気がアップする。しかも、国の政策は長期にわたるものがほとんどのため、国策株は中長期的に買いが入りやすく、『国策に売りなし』という相場格言があるほどです。老後資産の投資先として検討の価値はあります」
田代氏は、今後も低リスクかつ株価上昇が期待できるものとして、「働き方改革」に関連した銘柄を挙げる。
「安倍政権の政策を受けて企業は労働時間の短縮化、サービス残業の廃止など様々な策を進めている。特に女性活用は喫緊の課題となっており、それに関連して待機児童の解消や教育無償化で追い風を受けそうな関連銘柄が注目を増しています。
そういう意味で私が、『国策株』だと睨んでいるのが、保育園や学童クラブの運営など子育て支援の業界最大手であるJPホールディングス(東証1・2749)。そして、企業・病院・大学といった施設内に保育施設の運営と認可保育園などの保育サービスを展開するライクキッズネクスト(東証1・6065)です。
前者は先日の衆院選直後にかなり高騰しました。消費増税分が幼児教育に充てられるという話ですので、少なくとも消費税10%への増税時期の2019年10月までは、安定して上がると思われます」