株主優待の最新情報をお届けする「優待四季報」。2015年夏は既存の優待内容を大幅に拡充する動きが目立った。
中でもヤマダ電機は従来は年間540円だった最低単元株主への優待券額を3000円に増やしたうえ、長期保有すれば最高5000円まで増える拡充を発表しファンを驚かせた。「丸亀製麺」の割引券で人気の高いトリドールもその優待額を倍増している。
新設組もお菓子やスーパーマーケット、外食、パソコンサポートなどバラエティ豊かで使いやすい優待が登場しており、取得の楽しみは増えそうだ。
その一方で、優待を得られる条件として一定期間以上の保有を義務付けたり、最低単元株主への優待額を減らしたり、優待そのものを廃止する動きも目立っている。利回りの高い優待は企業にとっても負担が大きく、ある程度の絞り込みを迫られたり、業績によっては続けられなくなる場合もあることを改めて実感させられた形だ。
このような変更や廃止は、発表と同時に株価が急落することが多いので、優待株を多く保有する投資家はこうしたリスクが常につきまとうことを肝に銘じておく必要があるだろう。
以下、主な新設、拡充、廃止優待を紹介しよう。
【新設】
■ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東証1部・3222)
マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東が経営統合し誕生。店舗で使える優待券か新潟県産コシヒカリを選択可。
■鈴木(東証1部・6785)
長野県の電子部品、半導体関連装置、金型メーカー。地元名産菓子の詰め合わせの優待を新設。
■日本PCサービス(名証セントレックス・6025)
パソコンサポートやレッスン、修理サービスを展開。サービスに利用できる金券の優待を新設。
【拡充】
■ヤマダ電機(東証1部・9831)
家電量販店最大手。店舗で使える優待券の額を大幅増額し、年2回に拡充。長期保有特典も追加。
■トリドール(東証1部・3397)
讃岐うどん専門店「丸亀製麺」などを展開。店舗で使える割引券の額を倍増する拡充を実施。
【廃止】
■メガロス ■丸順 ■京王ズホールディングス(上場廃止)など
文/森田悦子(ファイナンシャルプランナー、ライター)
※マネーポスト2015年夏号