急激な円安進行とあわせて、日本株も堅調な推移が続いている。とはいえ、相場は一本調子で上がり続けるわけではない。特に年末だからこそ、気をつけなければならない市場動向がある。年末の投資戦略について、カブ知恵代表・藤井英敏氏が解説する。
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相場全体に上昇基調が強まるとはいえ、投資戦略には注意を払いたい。グイグイと値を上げる過程では1日でも早く買うのがセオリーだとされるが、相場はそんな単純なものではない。
直近でいえば、節税対策として年末には損失確定を目的とした換金売りが相次ぐことで株価下落も予想される。特に値動きの鈍い銘柄はその対象になるため、注意が必要だ。ただし、その後の上昇を見越せば、むしろ値下がりしたところが買い場となる。このような銘柄は買いを焦らずに、じっくりと下がったところを狙いたい。
一方、値動きの強い銘柄は次々と上値を追っていく可能性が高いので、買いタイミングは早いに越したことはないだろう。
値動きの強弱と一口にいっても難しいかもしれないが、見極めるコツはある。目安となるのが、短期の株価トレンドを示す「25日移動平均線」だ。それを上回っていれば強い、逆に下回っていれば弱い値動きと判断することができるので、ぜひ活用してみてほしい。
そして、肝心の銘柄選び。安心感を優先するなら時価総額の大きい大型株という選択肢もあるが、それは値下がりリスクをヘッジするだけにすぎない。民主党政権下ならそれでもよかったかもしれないが、安倍政権は株価上昇を至上命題とするような内閣である。
そうである以上、より大きなリターンを望むのであれば、時価総額が小さく軽い値動きが期待できる「小型株」に目を向けたい。なかでも、成長性があるものやテーマ性を帯びた銘柄は物色されやすく、個人投資家の投資対象にふさわしいといえるだろう。
※マネーポスト2015年新春号