年末年始は、1年間の「お金の出入り」を振り返るべき時だ。どんな観点に注意すべきなのか。今回は、「20~30代の夫婦」が考えるべき“ライフプランとお金”について、ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏が解説する。
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前回記事〈最低限の貯蓄額は?他 20代独身「1年間の家計収支の振り返り方」〉では、20代の独身の方向けに、年末年始で考えていただきたい「お金の話」をご紹介しました。今回は20~30代夫婦の場合です。
意外と夫婦で異なる「将来設計」
結婚すると、将来どんな家族の姿でありたいかというイメージを、夫婦ですり合わせていくことになります。子供は欲しいのか? 家を買いたいのか? どのように暮らしていくかについて、独身の時は夢だったことを、現実として叶えていく段階です。
例えば、家を購入したいのであればどのエリアに住むか、マンションか戸建てか、新築か中古か、いつを目標にするか、予算はいくらか、いつまでそこに住むか、その家でどんな暮らしをしたいのか、購入しなければいけないのか、賃貸ではいけないのか──といったことを具体的に考え、ライフプランを作成していくことになります。
そんなのわざわざ作らなくても何となくわかっているから大丈夫、と思われるかもしれません。しかし、ファイナンシャル・プランナーである私が相談を受ける際にも、ライフプラン作成をしてもらうと、意外に夫婦で少しずつ将来の希望が違うことも少なくありません。
また、将来設計をしているつもりでも、それをまとめてみると「本当にこれで良いのか?」と疑問に思うようなケースも出てきます。例えば、「会社の住宅補助が出なくなったら住宅を購入したい」という住宅に関する将来像がきちんとある一方で、「退職後は地元に戻りたい」という意向がある夫婦。そうなると、購入した住宅には15年程度しか住まない計算になりました。その15年のために購入は必要でしょうか。