住宅費に教育費に、と何かとお金がかかりがちなのが、40代だ。この年末年始、1年間の「お金の出入り」を振り返るとき、40代夫婦の場合はどんな観点に注意すべきなのか。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏が解説する。
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これまで、〈最低限の貯蓄額は?他 20代独身「1年間の家計収支の振り返り方」〉と〈老後の準備は?他 20~30代夫婦「年末年始に考えたいお金の話」〉、の2つの記事で、年末年始で考えていただきたい「お金の話」をご紹介しました。今回は40代夫婦、特に子育て世帯の場合です。
無理に貯蓄を頑張らない
この世代で特に子供がいる場合、慌ただしくて毎日を過ごしていくので精一杯というケースも多いのではないでしょか。それはお金の面でも同じです。
子供が小学生の時はそこまで負担と感じなくても(むしろ保育園や幼稚園と比べて楽になります)、中学・高校と進学していくにつれて支出も高くなる傾向があります。特に受験シーズンとなると塾や模試で追加出費も多いはず。
そんな時は無理に貯蓄ができなくても仕方ありません。貯め時もあれば使い時もある、その「使い時」が今なんだ、と考えるべきでしょう。
ただ、大学進学費用まですべてサポートしようと思うと、高校生までは多少なりとも貯蓄を続けていけるような状態であることが理想です。
高校までと大学では、必要な費用が比較にならないほど変わります。高校の平均的な教育費は私立でも平均年間100万円程度(文部科学省「子供の学習費調査」平成26年)ですが、大学は国立の大学に自宅から通っても4年間で平均約539万円、私立で自宅外からだと4年間で平均1000万円を超えています。奨学金や教育ローンを借りないとすれば、そのうち半分程度は貯蓄しておいたほうがよいでしょう。さらに子供が2人以上だと貯蓄のタイミングも難しいと思いますが、この現実を早く知って準備しておくことが必要です。