災いや大病に見舞われるとされる年齢が“厄年”。お寺で行う厄除けは、厄を寄せつけないようにするもので、神社での厄払いはすでに身にまとった厄を取り払うもの。そこで本誌“厄年記者”が、実際に厄除けで有名なお寺を訪れ、お護摩祈願を体験した。
お寺で厄除けをするなら、護摩を焚く密教系寺院こそ霊験あらたかだと聞いた記者が訪れたのは、神奈川県の川崎大師平間寺。開創890年の歴史があり、関東厄除け三大師関東第一霊場として、庶民だけでなく、皇室の信仰も集めてきた由緒あるお寺だ。
厄除けのお護摩祈願は、ご本尊である厄除弘法大師様のご供養をする秘法なのだとか。川崎大師では、平日と祝日に1日7回、日曜日と毎月21日には8回行われている(正月期間や節分は別)。
お護摩祈願の申し込みは、大本堂向かって右側のお護摩受付所で行われる。名前・住所と満年齢を書き、祈願料を添えて提出するだけ。ここでも予約はいらない。
大本堂内では、靴を脱ぎ、正座をして待つ。平日昼間でも10人以上の参列者がおり、装いはジーパンなどカジュアルな人が多い。ほどなく8人ほどの僧が入ってきて、大きな声で経典を読み上げ、目の前でお護摩を焚いていく。
一通りの儀式が終わると、参拝者は本堂奥に祀られた本尊・厄除弘法大師や不動明王、愛染明王、救世観音などを、間近で拝める。そして最後にお護摩札を渡されて終了となる。
薄暗い本堂の中に立つ、お護摩の火柱、体の中にドスンと響く読経の声や太鼓の音…。神社のお払いが“静”なら、寺での厄払いには“動”のパワーを感じた。