馴染みの飲食店で、ついつい“いつものやつ”を頼んでしまう人にとっては便利なサービスかもしれない。今、決まった月額費用を払えば、食べ放題、通い放題という“月額サービス”を行う店が激増している。
もともと、月額サービスは海外で流行していた。一定の月額でポルシェが乗り放題、飛行機に何度でも搭乗し放題、ペットの餌を注文し放題など、多種多様の定額サービスが根づいていた。
「そこにきて、日本でも月額制の動画見放題サービスや雑誌読み放題サービスが登場し、こうした形態が認知されていきました。今では海外に勝るとも劣らないほどの月額サービスが生まれています。
使いこなせば客が得をしますが、月額支払いの登録をした後、それほど利用しなくなる客も多い。企業にとって、後者の人は大きな利益を生み出す“お得意様”となります」(流通ジャーナリストの渡辺広明さん)
外食産業市場を調査・分析している富士経済東京マーケティング本部の仁木彩さんもこう言う。
「月額サービスは、そのサービスを必要としている人にとっては、とても便利なサービスです。該当店がお気に入りであれば、毎日のように食べたり飲んだりできるので、すぐに元が取れます。
しかし、珍しいから、という理由で始めるとあまり通わなくなり、メリットは小さくなってしまいます。サービス内容が自分にとってマッチするかどうかを、シビアに見極めないと結局、損をすることになりかねません」