一言でお金持ちといっても様々なタイプの人がいる。たとえば、「投資で成功したお金持ち」。彼らは普段何を考え、どんな行動をしているのか。これまで多くの資産家たちの家計相談を受けてきた「家計の見直し相談センター」の藤川太氏が、実例をもとに紹介する。
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株やFX(外国為替証拠金取引)、不動産などへの投資で大儲けした投資家タイプのお金持ちの趣味は、もちろん投資です。余分なお金を使うくらいなら、とにかく投資に回す傾向が目立ちます。だから意外と金銭にシビアな人が多いですね。
ある投資の勉強会に私が顔を出した時の話です。驚くことに、その会場はどこにでもあるようなチェーン居酒屋でした。しかも、席に着いた途端、みなさん一斉にクーポン券を何枚も出してきて、格安店でさらに安く済まそうとするのです。
投資に対しては、数千万円、数億円レベルの資金をまったく惜しまないのに、それ以外はとことんお金を使わない。車も持たず、「住まいさえあれば生きていける」などとして、唯一の高い買い物が高級マンションという人も結構います。それも本業が投資家ではなかなかローンが組めませんから、現金で一括購入するケースがほとんどです。
ただし、不動産投資で成功している人は別です。数億円にも上る複数の物件を所有し、そこで得られる家賃収入からローン返済や諸経費を差し引いても5000万円ほどの年収があるAさんは、不動産投資のための会社を設立しています。節税目的で経費を使わなくてはいけないため、車を所有し、高級店で外食して接待交際費を計上する機会も少なくありません。
Aさんの場合、自宅は持ち家ではなく借家です。利回りで考えると、自宅を購入するよりも、不動産投資の家賃収入から自宅の家賃を払った方が有利になるからです。「賃貸住宅なら家族の変化にも対応できるし、いつでも好きなところに住める」とAさんはいいます。
ところで、投資家タイプの悩みで意外に聞くのが結婚問題。どうしても不安定さが付きまといますし、大金を手にした後は「自分のお金が目的なのでは?」と疑り深くなることも多いようです。そのため、独身が多いのです。
株やFXなどで一財産を築いたBさんもそのひとり。「これだ」と決めた相手の親が結婚を許してくれず、Bさんは投資家を引退して地元の役場に就職して、どうにか結婚を認めてもらいました。ただ、そんなBさんがいまになって「普通に働くと月20万円ほどしかもらえないんですね」としみじみ語っていたのが印象的でした。
※マネーポスト2014年秋号