日本の株式市場に上昇相場が到来したなかで、スタートした新制度「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」。言葉ぐらいは聞いたことがあるかもしれないが、そこまで詳しく知らない人も少なくないかもしれない。だが、投資に馴染みのない人にこそ、メリットの大きい制度だ。つみたてNISAは長期間コツコツ投資する初心者向けの制度で、非課税枠800万円(40万円×20年)と恩恵も大きい。では、どのように投資すればいいのか。
「つみたてNISA」という心強い“味方”を活用するとして、具体的にどの商品を選べばいいのか。その答えは投資する人の“狙い”によって変わってくる。
年間上限40万円の非課税枠をフルに使うとすれば、月額約3万円となる。どう振り分けるべきかは、それぞれの資産運用の目的によって違ってくる。
例えば、株式相場の世界には「卵は一つの籠に盛るな」という格言がある。手持ちの全ての卵を一つの籠に盛ると、籠を落とせば全てが割れてしまう。だが複数の籠に取り分ければ一つを落としてもほかが残る──このたとえが示す分散投資の原則を説くのは、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦氏だ。
「株式と債券、国内と海外の資産にバランスよく分散させて運用することで最適なポートフォリオを組むことができます。国内株が下落しても外債が上がればバランスを保つことができるからです。
ただ、つみたてNISAでは債券だけで運用される投資信託は認められていない。そこで代替策になり得るのが、運用会社が債券や株式など複数の資産に分散投資した〈バランス型〉の商品。有力な選択肢になってきます」