リタイア世代に「老後破産」の危機が指摘されるこの時代、老後資金は自分で守り抜く必要がある。取られすぎた税金を取り戻す唯一の手段が確定申告だ。実はこんなケースでも金が戻ってくる可能性がある。
シロアリやスズメバチの巣などの害虫駆除や、災害の被害復旧にかかった費用は課税収入から差し引ける。というのも、「雑損控除」という制度で、総額5万円を超えると税金還付の対象になるからだ。
災害復旧といっても全国から義捐金が集まるような大規模な災害である必要はない。大雨や台風で雨漏り箇所を補修したり、壊れた雨樋、腐食した柱の補修代まで含む。業者に「雪下ろし」を頼んだ費用もこの対象だ。
スポーツジムの費用も生活習慣病治療の目的で、週1回以上、8週間継続しているなど条件をクリアすれば医療費控除の対象になる。同じくマッサージ代、はり、きゅう、柔道整復師による施術も対象になるケースがある。
また株取引での損失があった場合、株の売却損(上場株に限る)は翌年から3年間、損失を繰り越せる(譲渡損失の損益通算・繰越控除)。
空き巣被害にあった場合、家具などの「資産」の損失は雑損控除で戻ってくるが、趣味で集めている腕時計や貴金属などは対象外だ。
※週刊ポスト2018年2月2日号