近年、市長・市議の不祥事が続いている。日本全国には、頑張ってお仕事をする市長・市議がたくさんいる一方で、思わず 「どうしてそうなった!?」 とつっこみたくなる「ざんねん」 なかたがたも存在する。お仕事中に「なぜか女性の足をなめちゃった」市長や、「なぜか市内の飲食店の悪口をコミュニティーサイトに書き込んじゃった」市議などだ。
いったい何が彼らを堕落させてしまうのか。政策コンサルタントの室伏謙一氏は次のように説明する。
「市長選には満25才以上の日本国民であれば基本的に誰でも立候補できます。また市長等の地方自治体の首長は直接選挙で選ばれ、議員内閣制の総理大臣より大統領制に近い。その信任を議会に根ざす総理大臣よりも市民に選ばれたという意識が強く、一応不信任等の手続きはあるものの、議会とのチェックアンドバランスが働きにくい。結果首長が優位になり権力者としての勘違いがおこりやすいのです」
昨今散見される市長、市議たちの“プチトランプ”のような言動の数々は、このあたりに理由があるのかもしれない。
「かつてより志が低い人が市長や市議になっている」と嘆くのは元横浜市長の中田宏氏。
「地方の場合はなり手不足の問題もあり親の跡を継いだ2世3世が増えている現実もある。また、都市部の場合は給料など待遇のよさを目当てに政治家になろうとする例もある。そうした人たちは総じて志が低い。地域の発展のために尽くそうと市長や市議になる人が全体的に少ないのです」
有権者側の意識の低さを指摘するのは政策コンサルタントの室伏謙一氏だ。
「首長の基本的性格は行政の長、行政官です。しかし、必要な資質や能力よりも、単に目立つ、プレゼン能力が高いだけの人が首長に当選する傾向も問題です。選ぶ側の責任でもあるのですが、とにかく目立てばいいと思っている政治家も少なくありません」