受験シーズン。そしてすぐに進級・進学の時期がやってくる。子供の教育費は、総額で1000万円とも2000万円とも言われる。それをどう準備するかは、親にとっての大きな悩みだ。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏は、「まだ子供がいなくて将来は子供を希望している夫婦も、今から備えておくのがオススメ」という。以下、清水氏が解説する。
* * *
まだ子供がいないのに教育費のことを考えるというと、早すぎると感じるかもしれません。ただ、将来は子供を持ちたいと考えているなら、少しでも早く準備をしておいたほうがよいでしょう。むしろ子供がいない今こそ「一番の教育資金の貯め時」です。
教育費は大きく「毎月の収入から支出する部分」と「貯蓄したお金を使う部分」に分かれます。後者の主なものに「大学の教育費」があります。どんな大学を選ぶかで費用は大きく違いますが、子供が家から出て私立大学に通うケースでは、4年間で1000万円程度の支出があります。仮にこの1000万円を20年で貯めていくと考えると、毎月4万1600円の貯蓄が必要です。
子育てしつつ、その時にかかる小学校や中学校の教育費も支払いながら、それとは別に毎月4万円以上の貯蓄が可能でしょうか。それができる余裕がある世帯は、きっとどのタイミングで貯蓄を始めても、そんなに困ることはありません。でもそんなことはできない人が大多数です。
しかも、夫婦2人だけだからといって、収入のほとんどを支出してしまう生活に慣れると、生活水準を落として貯蓄するのもストレスになってしまいます。だからこそ、子供がいない時から貯蓄を始めておくべきです。
20年後のためなら「個人向け国債」か「つみたてNISA」で
子供が産まれる前から貯め始めると、大学進学のタイミングまで20年程度の期間があります。その「長い時間」味方につけることで、貯蓄方法も選択肢が広がります。