日経平均の大暴落が大きなニュースとなっている中、個人投資家からも阿鼻叫喚の声が聞こえてきた。大手メーカーに勤める30代の会社員・K氏は、ほぼ24時間動き続けている「日経平均先物」に投資していたが、日本時間の2月6日朝5時頃の暴落で痛い目を見たという。
「年明けからずっと、“日経平均は上がりすぎだ”と思っていたので、2万4000円超えのあたりで『売り』でエントリーしました。ラージ3枚分の売りです。予想通りに100円幅動いたら30万円儲かるというもので、2万3000円くらいまでは下がるだろうとみていました」(K氏)
その予測は見事的中。2万3000円で利益確定の指値をしておいたK氏は、1000円幅を取って約300万円の利益を得たという。だが、いいことだけでは終わらないのが相場の世界。
「普段なら7時頃まで寝ているのに、6日の早朝はなぜか起きてしまったんです。ふとチャートを見ると、日経平均先物は2万2800円くらい。これは買いのチャンスだ、2万3000円まではすぐ戻るだろうと思って、ラージ6枚分の買いを入れたのです。そこからあれよあれよの暴落で……わずか30分足らずの間に、2万1500円くらいまで下がっていった。気付くと儲けを全部失ったうえに、450万円くらいの損を出していたんです。下がるという予測は合っていたのに、僕はなんてバカなんでしょうか」(K氏)
呆然とチャートを見ながら、出勤準備をしたという。そこへ追い打ちをかけたのが、1通のメールだった。珍しく父親からのメールだったという。父親は数年前に上場企業を退職、今は年金暮らしだ。
〈先週末、コツコツ買ってきた自社株を全部売ってた(^^) すごいだろ。400万円儲かったぞ。これでようやく車を買い換えられる〉
K氏の父親は、ほぼ最高値で持ち株を売っていたのである。株の話などめったにしない父親らしいが、給料天引きで買っていた自社株があったのだ。売却タイミングがよく利益を出せたわけだが、その分を息子のK氏は30分で消し去ったことになる。
「この損失、とてもじゃないですが父親には言えないですよ」(K氏)