政府が為替相場に参入することもあります。今回は相場に大きな影響を与える為替介入の形態についてお話しておきたいと思います。
多く見られるのが「口先介入」で、財務相幹部などが口頭で為替介入の可能性を匂わせ、マーケットに警告を発するものです。トーク・アップ(Talk-up)発言とか円安・円高牽制発言とも呼ばれます。
実際に資金(実弾)を投入して行われる介入となった場合、「単独介入」と呼ばれます。例えば日銀が単独介入するのは東京時間に行われますが、決して東京時間だけで終わるものではありません。相場状況に応じて、海外市場でも介入は行われます。
一方、協調介入というものもあります。
これはそれぞれの国・地域の介入当局が、協調して介入する必要性を感じ、協同して行動に移すというもので、最近では見受けられませんが、以前は華々しく各国当局が次々と介入すると、逐一ロイターなど通信社のヘッドラインで伝えられました。
通信社がこのように介入を報道するのは、介入していることを当局自身がその動きをマーケットに知らしめること(アナウンスメント効果)を狙って意図的に通信社に介入の実施を伝えたかったからです。
それだけではなく覆面介入という方法もあります。介入していることを伏せて介入するもので、個人的にはアナウンスメント効果を狙った方が効果的なのに、なぜそのような手を当局が使うのか、本当のところはよくわかりません。
まだ、欧州通貨がユーロに統一される前、ドイツの中央銀行であるブンデスバンク(連邦銀行)が、世界最強の中央銀行と呼ばれていましたが、確かにドイツマルクでの介入のうまさには定評があり、参りましたと頭を下げる思いでした。
一度、ミーハー的に、独フランクフルトのブンデスバンクを訪れたことがありました。チーフディーラーとその方法について話してみると、さすがはブバ(Buba、ブンデスバンクの愛称)と感嘆しました。このように各国の当局によって介入するにしても、特色があります。
日々の為替情報につきましては、ブログ「Banya Market Forecast」やメルマガをご覧ください。