急にまとまったお金が必要になったとき、事前に準備できていれば問題ないかもしれないが、そうでない場合は「お金を貯める時間を後払いで買う」という発想があってもおかしくない。例えば、キャリアアップのための資格取得のためのスクールの費用や、海外への留学費用を借りるといった場合だ。特に、所得がなかなか増えない時代には、有力な選択肢といえよう。キャリアアップを目指す機会は、そう何度も巡ってくるものではないからだ。
だが、実際にお金を借りるとなると、年収や勤続年数が条件となるケースがほとんど。年収が低かったり、勤続年数が短かったりすると、借りられる金額は低くなり、利率も高めに設定されることになる。
そうした中、借りる人の“信用力”や“将来性”を考慮して融資を行う、というサービスが登場し注目を集めている。みずほ銀行とソフトバンクが設立したJ.Score(ジェイスコア)が運営する「AIスコア・レンディング」というものだ。どういうものかというと、ユーザーの属性などのさまざまな情報を分析し具体的に「スコア化」(=数値化)するのだが、なんとその分析にAI(人工知能)が活用されている。AIは信用力と「将来の可能性」を分析し「AIスコア」を算出する。そして、その数値に基づいて、融資する金利や限度額といった条件の参考値を提示するのである。個人向けの融資サービスでは日本初のサービスとなっている。
このサービスの特長としては、分析するデータの幅広さが挙げられる。従来の融資条件である、年収や勤続年数だけでなく、性格やライフスタイル、趣味などのパーソナルデータも加味されるという。そうすることでユーザーの総合的な信用力や将来性をAIが分析し、1000点を上限としたスコアを算出するのである。また、時間の経過やライフスタイルの変化などによりユーザーのデータが更新されると、AIスコアも更新されることになる。
いったいどういう手順なのか。J.Scoreのサイトでは、おおよその使い方、仕組みが分かるデモ画面が用意されており、スマホからでも簡単に操作できる。マネーポストWEB記者も実際にやってみた。