AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの次世代技術のカギを握っているのが半導体。半導体メーカーの設備投資の旺盛な需要増が続いていおり、それが日本企業にとっても追い風となっている。グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が注目しているのは、半導体向け精密加工装置と精密加工ツールで世界トップの「ディスコ」(東証1部・6146)だ。
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2月5日から米国発の世界同時株安に見舞われたが、何も世界経済が変調をきたしたわけではなく、その要因は米国の長期金利上昇を神経質にとらえた短期筋の売り浴びせにあります。いってしまえば「内容のない下げ」であり、長期的な視点に立てば、今回の急落は今後も世界経済を牽引していくような有望銘柄を仕込める絶好のチャンスといえます。
それは何か。目下、世界経済を牽引しているのは高性能半導体によるAIやIoTといった「第4次産業革命」にほかなりません。それら次世代技術のカギを握る「半導体」関連は、やはり“本命”といえるでしょう。
なかでも半導体メーカーの設備投資の旺盛な需要増が追い風となるのが、半導体向け精密加工装置とそれに使われる精密加工ツールの双方で世界トップのディスコ。同社は「切る、削る、磨く」技術に特化した事業を展開しており、精密加工を施す砥石とそれを扱う装置を開発。精密加工ツールと精密加工装置の両方を手がける世界でも類を見ない企業で、世界シェアは実に70%にのぼります。
半導体市況の好調をモロに受けて、業績も好調そのもの。前期(2017年3月期)は売上高が4期連続、営業利益は3期連続で過去最高を更新しており、今期(2018年3月期)の会社予想も今年2月に上方修正を発表しており、売上高は前期比22.4%増の1643億円、営業利益は同59.9%増の501億円と大幅な増収増益で過去最高の更新が続く見通しです。
また同社が手がける精密加工ツールは消耗品であり、加工装置が売れた後も、半導体メーカーの工場稼働率が高くなると売れ続ける収益性の高い事業です。「第4次産業革命」が進展していくうえで必要とされる高性能半導体の数はまだまだ足りておらず、今後も半導体メーカーの積極的な設備投資が続くのは必至でしょうから、同社の今後の業績見通しも非常に明るいことが期待できます。
株価は直近高値で2万8000円台でしたが、今回の同時株安で2万4000円台まで下がっており、今後の上昇を見越せば、買いの好機が到来しているといえるでしょう。