IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった「第4次産業革命」の進展が株式市場にとっても大きなテーマとなっている。そうした中で、グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が注目するのは、世界的な省エネ化、省人化の波に乗り「第4次産業革命」による新たな需要増も期待できる「安川電機」(東証1部・6506)だ。
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安川電機はファナック(東証1部・6954)とともに日本を代表する産業用ロボットメーカー。高速かつ高精度に位置を制御する「ACサーボ」やモータの回転を制御する「インバータ」でともに世界トップシェアを誇り、「産業用ロボット」も世界トップクラスの実力を持つ。ACサーボは半導体・液晶の製造装置、電子部品実装装置、工作機械などに幅広く利用され、インバータは省エネ化や生産性の向上に貢献。ロボットは自動車向けをはじめ他業種にも用途を広げています。
現在、世界では工場の省人化をはじめとする生産効率の向上や自動化の導入に対する設備需要が旺盛となっています。「世界の工場」といわれた中国でも、日本同様に少子高齢化を背景とした人手不足問題が深刻化しており、「より少ない労働力で生産性を向上する」必要性が高まっています。幅広い分野で世界中のモノづくりを下支えする同社を取り巻く事業環境は極めて良好に推移しているといえます。
好業績が続いており、今期より決算期を3月から2月末に変更しているため、単純比較はできませんが、2018年2月期は大幅な増収増益(特に利益は倍増)を予想しています。
半導体・液晶分野や食品・医薬品分野など幅広い分野に拡大している同社の事業領域は今後、IoTやAIといった「第4次産業革命」の進展に伴ってさらなる需要増が期待できます。また産業用ロボットは依然として自動車分野がメインであり、電気自動車や自動運転技術の台頭で産業構造が大変革を起こしているため、同社も自動車業界の設備投資増大の恩恵を享受することができると思います。
株価は長期的に見ると過去最高値圏にありますが、実質無借金経営と財務面も良好で比較的安心して投資できる銘柄のひとつといえます。直近で5000円台から4000円台まで調整しているのも「仕込み時」といえるでしょう。今後も世界中に広がる省エネ・省人化による需要拡大を追い風に継続的な成長が期待できます。