今年2月、内閣府が公表した世論調査によると、「選択的夫婦別姓」の導入に賛成する割合は過去最高の42.5%となっている。2015年には最高裁で「夫婦同姓規定には合理性があり合憲」という判断が下されているが、その判断に疑問を抱く人は少なくない。
都内の大学を卒業後、大手広告代理店でクリエイティブ系の業務を担当する“バリキャリ女子”のハルカさん(30歳・仮名)もそのうちの一人。仕事は激務だが、かねてから希望していた職種でやりがいを感じている。昨年、職場で出会った2歳上の彼との結婚を決め、仕事もプライベートも順風満帆……かと思いきや「どちらの姓を選ぶか」問題で一悶着あったという。ハルカさんが語る。
「自分の姓と名前のバランスが好きで愛着がありましたし、いざ自分が生まれてこの方使ってきた姓を失って別の名前になることを想像するとモヤモヤして。結婚前に、どうにか今後も自分の姓が通せないか、夫と何度も話し合いをしました。
籍を入れないという考えもよぎりましたが、婚約と同時にマンションを買うことを決めていて、夫婦別姓、つまりは事実婚の状態だと共有名義のローンは組めないと不動産会社の担当者に言われたんです。入籍していても即離婚する夫婦だっているし、事実婚で生涯一緒にいるケースもあるのに、釈然としないですよね……」(ハルカさん。以下、「」内同)