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狙い目の米国株への投資 取引で最も注意すべきは売買手数料

今年8月のチャイナ・ショック以降、世界中で大荒れ相場が続き、12月にはついに米国で金利引き上げが実施された。こうした中で、世界の金融市場の中心ともいえる「米国株」への注目が一段と高まっている。

米国の利上げは、ドル高につながり、米国企業の業績圧迫につながる。結果、利上げ直後は、株安が予測される。しかし、これは一時的なものだという見方も多い。米国経済は着実に回復しているから、いずれ株価は戻るとも考えられる。であれば、利上げ後の株安は絶好の買い場と捉えることもできる。

米国株に直接投資するのは、少々ハードルが高い気がするが、ネット証券では、日本株とほぼ変わらない手続きで、取引が可能なところがある。代表的なのはマネックス証券、SBI証券、楽天証券の3社だ。日本株の口座があれば、簡単に米国株取引口座を開設できる。ここでは、米国株投資の注意点についていくつか解説する。

◆売買手数料は取引金額によって異なる

米国株の取引で最も注意しなければいけないのは売買手数料だ。ネット証券の手数料競争で、日本株はいまや数百円の売買手数料で取引が可能になっているが、米国株となると、そうはいかない。一時に比べれば、安くはなってきているとはいうものの、少額の取引の場合には、手数料率が割高になるケースもある。

SBI証券、楽天証券の手数料は1注文当たり25米ドル。取引数量が1000株までは同じ手数料なので、取引金額が100万円でも10万円でも手数料は25ドルだ。これを手数料率に換算してみると、取引金額が100万円なら0.31%(1ドル=125円換算)だが、取引金額が10万円なら3.13%(同)となる。

一方でマネックス証券の場合は、手数料率は約定代金の0.45%。最低手数料は5ドルだ。取引金額が10万円なら手数料は5ドルで手数料率は0.63%(同)と、他の2社よりも大幅に安くなる。取引金額が100万円になれば、手数料は20ドルになり、手数料率は0.25%。

よって少額取引が多いのであれば、手数料面でマネックス証券が有利ということになる。取引金額が多くなれば、手数料率の差は縮まるので、あまり意識する必要はないかもしれない。

手数料以外の面で気になるのは、取り扱い銘柄だ。マネックス証券は約3000銘柄、SBI証券は約1170銘柄、楽天証券は1311銘柄となっており、ここでもマネックス証券が有利という結果となる。

日本株と比べて、米国株は情報量が圧倒的に少なくなるので、証券会社のマーケット情報が頼ることになる。マネックス証券では、毎週月曜日に配信される「米国株ウイークリーレポート」や株主に向けた活動をまとめた主要銘柄のコーポレーションアクション情報が閲覧可能。

SBI証券では、モーニングスターが提供する個別銘柄レポートを閲覧できるほか、米国株式のリアルタイム株価・チャートは月額500円(税抜)で利用できる。 また、3社ともに、投資情報サービス「バロンズ拾い読み」を購読可能。これは、ダウ・ジョーンズ社が発行する米国で最も著名な投資週刊誌「バロンズ」の中から、日本の投資家向けに厳選した記事を翻訳したレポートで機関投資家向けなどに提供されているものだ。

※マネーポスト2016年新春号

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