がんに罹れば手術代や長期の入院費用、あるいは何年も続く抗がん剤治療費など、金銭的負担が大きくなる。その一方で、新たに保険に加入すれば、毎月の保険料支払いが家計に重くのしかかる。
では、がん保険加入を検討する場合、選び方のポイントは何か。
先進医療特約は入るべきか
保険適用外ゆえに費用がかさむ先進医療。特約を追加すれば高い保険料を支払わされるのかと思いきや、そうでもない。
「先進医療特約の保険料は月額100円に満たない商品もあるんです。それで限度額1000万円が保障されることがある」(ファイナンシャルプランナーの松浦建二氏)
ただし注意点もある。ファイナンシャル・プランニング技能士でフェイス代表の巽一幸氏はこう話す。
「特定の治療に対して、あるいは指定された病院でないと保険の対象にならないことがあります」
「傷病手当金」を受け取れるケースの考え方
現役で働いている人は、社会保険加入者が受け取れる「傷病手当金」を考慮したほうがいいという。
「病気や怪我で会社を休んだときに被保険者や家族の生活を保障するための制度で、休職直前の月給(標準報酬月額)の3分の2を、最長1年6か月間受け取れます。定年延長や再雇用によって、60歳過ぎてからも被保険者になれるケースは増えています。被保険者でなくなって(退職して)から1年以内の人も対象になる。
収入がいきなりゼロになるわけではないので、その分を考慮したうえでがん保険に入るかどうかや、保障の手厚さを検討するといいでしょう」(ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓氏)
保険加入の動機は「不安」。その不安の大きさを正しく認識することも大事だ。
※週刊ポスト2018年4月6日号