ドラッグストアの市場規模はここ10年で3兆円拡大。食料品や日用品はスーパーやコンビニよりも安く手に入る。そのうえ、年々店舗は増え続け、駅前にも住宅街にも点在し、思い立てばいつでも買い物ができる。星の数ほどあるドラッグストアを、買い物の達人たちはどう使い分けているのか。
関東の中核都市で子育て中の主婦B子さんは、自宅周辺のドラッグストアを見事に歩き回る。ある日の午後、自転車で食品の買い出しに出かけたB子さんは、駅前のスーパーではなく、隣のツルハへ。ドラッグストア事情に詳しいファイナンシャルプランナーの齋藤惠さんが言う。
「スーパーに隣接したドラッグストアはお客さんを店内に呼び込むため、隣のスーパーよりも食料品を安く売る傾向にあります」
1袋89円の食パンなど、お得な買い物ができたB子さんは上機嫌。安さの秘密を『ドラッグマガジン』編集長の菅原幸子さんが明かす。
「ドラッグストアにとって、店頭に山積みにされているパンやチョコレートなどの商品は客寄せパンダのようなもの。主力商品の医薬品や化粧品で利益を上げているので、それ以外の食品などは思い切り値下げしているのです」
自転車のカゴいっぱいに食品を購入したB子さんだが、まっすぐ自宅ヘは帰らず、今度は家の近くのスギ薬局へ入っていく。ここでは顔なじみの薬剤師に相談して花粉症の市販薬を購入。ついでに、シャンプーや化粧品の新商品のサンプルをどっさりもらってから店を後にした。