高収入世帯が数多く暮らす、港区麻布界隈。そこに住む「麻布妻」たちの中には、広告やマスコミ関係などで働いている人もいる。そこで繰り広げられる女性同士のマウンティングには、一つの傾向があるという。夫は外資系金融勤務で年収数千万円、1歳の子供を持つアラサー美人主婦ライターで「麻布妻」の1人である高木希美氏が、「ギョーカイ系麻布妻」の特徴をリポートする。
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少し前、ポーセラーツ教室で同じグループになった玲子さんという30代半ばのママさんに誘われて、銀座にある幼児向けのスクールに見学に行ったときのことです。ちなみにポーセラーツは数年前から流行している、白い器にシールのような転写紙を使ってオリジナルデザインのお皿などを作るクラフトのこと。ご近所の麻布ママさんがサロンを開いているので、時折通っています。
近くのマンションに住む仲良しの真麻さんも一緒に行きました。見学の前、麻布妻3人でランチです。
場所は「うちの息子、ここのうどんしか食べないの」という玲子さんの希望で、『つるとんたん』になりました。オープン時間に合わせて行ったのに列ができています。さすが人気店。
「2人は働いてるの? 専業?」
少し待った後に席につくと、玲子さんはそう切り出しました。すると真麻さんが「玲子さんは何かお仕事されてるんですか? すごい綺麗!」。確かに玲子さんは顔も小さいし、派手で女優のようなつばの広い帽子が似合っています。
「言ってなかったっけ? 私フリーランスで広告系の仕事してて。業界系。夫は制作会社経営~。まあ昔、一応モデルもしてたよ。夫って業界にいるから目が肥えてるんだよね。フィギュアみたいな女としか付き合わないからさ。私も一応おめがねにかなった、ということかな。ま、男にはモテるけど女に嫌われるからさ。ママ友とかいなくて。こういうの初めてなんだよね」